針の音楽

当企画の有料公演に対する考え方

0.はじめに

本演奏会『幻宴Project ~ 幻想郷を彩る神々と仏の世界』 は、アマチュア演奏家の方々中心による公募・参加型の演奏会となります。楽団内にプロ奏者が参加しているorいないの如何を問わず、プロ楽団としての公演はいたしません。
また、本演奏会の入場料の徴収は、演奏会の来場者に対する"演奏クオリティの保証"を目的とするものではありません。
そのような中、「幻宴Project」が有料公演を行うことを決定した理由は複数あります。

1.同人イベントとしてのコンサート

こんにちでは、同人音楽界隈の活動は日々盛んになってきており、多くの同人音楽サークルが同人イベントの一つとして、自らライブ公演を企画したりステージに出演したりしています。
そこで「幻宴Project」では、そういった同人音楽界隈の情勢に倣い、"コンサートというスタイルによる同人イベント"としての性格を持ったイベントに仕上げるため、無料公演ではなく有料公演を実施します。
入場料の徴収方法は、オンラインを通じてチケットを購入していただく形を予定しており、チケットは、同人誌即売会等のイベントに参加する際に必要なカタログ、チケットの代金(入場料)は、同人誌即売会等のイベントのカタログの代金と同様のものであると考えていただければと思います。

2.演奏は無形の同人作品

また、本演奏会は同人誌や同人CDの発行などに同じく、特定の作品に対するファン活動として活動していく故に、本演奏会を"無形の同人作品"として、客席にご参加いただく皆様にお届けしようと考えております。
そのため、入場料はイベントに参加する際のカタログ代であると同時に、作品の頒布価格でもあります。「同人」の成り立ちの歴史を鑑み、演奏会を開催するのにかかった経費は出演者のみが負担するのでなく、同じ作品のファンである一般参加者の方々にも経費の一部をご負担いただくというものです。
通常、他のゲーム音楽を演奏する楽団では楽曲の権利問題が関係してくるため、入場無料という条件のもと演奏会を開催している楽団が多いですが、「幻宴Project」が題材に取り上げる東方Projectは、原作者より二次創作に関するガイドラインが示されているということもあり、有料公演に伴う楽曲の権利関係は問題にならないと解釈しております。

3.同人として責任のあるコンサート

先述のカタログ代の話と類似しますが、有料公演を実施する大きな目的はもう一つあります。本演奏会はあくまで演奏会という形を持った同人活動・同人イベントであり、同人イベントとしての責任を持ったイベントの開催を行うためです。
同人活動というものは本来「同人」という言葉にありますように、同じ志を持った人、同好の人同士で活動を行うものである、言わば閉ざされた世界での活動です。
近年では東方Projectの人気や知名度は高まっており、東方Projectに関連した商品が商業展開されたり企業とコラボされたりしていますが、その一方で同人サークルが同人活動として活動したり作品を発表したりする場合には、あくまで同人という枠組みの中で収まった活動をすべきであると私は考えています。
これは、演奏会を企画するにあたって東方Projectの二次創作ガイドラインを再確認し、東方Projectの原作者であるZUN氏が本人のブログで書かれた内容(「博麗幻想書譜」内、2008年12月10日の記事を参照)を、改めて吟味した上で至った考えです。
そこで「幻宴Project」は、東方Projectに関連する同人誌即売会等のイベントや他の同人サークルのライブイベントなどに倣って、一般参加者は催事内容が何であるかを把握した上で入場料を支払い、チケットを得ることで初めて客席に入ることが出来るという、入場料を徴収する形の有料公演を実施する運びとなりました。

しかしながら、いずれの方もチケットを購入さえすれば誰でも一般参加者として演奏を聴くことは出来ますので、「幻宴Project」は決して東方Projectについて詳しくない方のご来場を制限することはありません。
東方Projectに明るくなくとも「幻宴Project」が何かを知っている方であればご来場を歓迎いたします。
もちろん出演者やスタッフの方も「幻宴Project」及び本演奏会が「東方Projectの楽曲を演奏する同人イベントとしてのコンサートである」という主旨をご理解いただければご参加いただけます。
さらに以上の理由に示した通り、入場料の徴収は同人活動及び同人イベントとしての責任を持つことが主目的であり、プロの演奏のクォリティを保証するものではないので、演奏技術に多少不安があっても演奏会の成功に尽力していただける方であればご参加を歓迎いたします。
もちろん指揮者・運営一同も良い演奏会が作れるよう努めて参りますので、皆様奮ってのご参加を心よりお待ちしております!

以上3点が、「幻宴Project」が有料公演を実施する大きな理由となりますが、入場料を徴収する目的は他にも細かなものがあります。
出演者の皆様から集金する参加費や、チケットや演奏会記念CD等の売上げによって発生しうる利益の使い方にも関係しますので、以下についても一度目を通していただければ幸いです。

4.編曲経費

演奏会で演奏する楽曲のアレンジ・編曲は、代表共に指揮を務める白鷺ゆっきーが行いますが、白鷺ゆっきーの過去のアレンジ曲を再演することが主目的であった「針の音楽団」と異なり、今回は書き下ろし曲の初演がプログラムの多くを占めます。
よって、アレンジの着手から音源作成・スコア・パート譜の作成までの作業にも多くの時間を費やすことが見込まれるため、発生した利益の一部を編曲経費として充てさせていただきます。何卒ご理解・ご協力ください。

5.演奏会の継続的な開催

「幻宴Project」では、単発でなく継続的に演奏会を開催していきたいと考えております。
よって、本演奏会の入場料の徴収や、演奏会記念CD等の頒布によって、売上げが必要経費を上回り生じた利益は、次期演奏会の活動費用として充てさせていただく予定です。

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